キャッシングの返済遅れが1日でもあるときの信用情報への影響

キャッシングの返済が1日遅れただけでも信用情報にすぐ記録されるのではないか、という不安を抱く方は少なくありません。1日程度の遅延では信用情報機関に即座に記録されることはありません。

しかし、返済期日の翌日から遅延損害金が発生するため、1日であっても放置せず速やかに対応することが重要です。

遅延損害金の仕組みと計算

返済期日を過ぎると、その翌日から遅延損害金が発生します。遅延損害金は延滞した日数に応じて日割りで加算される仕組みです。

カードローンでは年14.0%~20.0%程度の利率が適用されるのが一般的なので、たとえば10万円を30日延滞した場合、年14.5%の利率では約1,191円の遅延損害金が発生します。支払いが遅れるほど負担が増すため、気づいた時点で返済することが賢明といえます。

信用情報に記録されるタイミング

重要なのは延滞期間の長さです。2ヵ月以上の延滞があると信用情報機関に報告されます。多くの金融機関では、返済期日から61日以上または3ヵ月以上の支払遅延があった場合に「異動情報」として登録される仕組みを採用しています。

この異動情報は延滞を解消した後も最長5年間は記録として残り、その間は住宅ローンやクレジットカードの新規契約が困難になるでしょう。

短期延滞と長期延滞の違い

延滞は期間によって影響の深刻度が異なります。短期延滞と長期延滞では、金融機関の対応や信用情報への影響に大きな差があるのです。

短期延滞の場合

数日程度の返済遅れであれば、すぐに重大な問題に発展することは多くありません。金融機関から電話やメール、SMSで督促の連絡が入る程度で済むケースがほとんどです。この段階で速やかに返済すれば、カードローンの利用を継続できます。

ただし遅延損害金は1日目から発生しているため、支払総額は増加しています。

長期延滞のリスク

一方で延滞が長期化すると、事態は深刻です。カードローンの利用が停止され、新規借入ができなくなります。延滞が2ヵ月を超えると信用情報機関に異動情報として登録され、将来的な金融取引に支障をきたすでしょう。

さらに放置を続けると強制解約となり、最終的には法的手続きに移行する可能性もあります。給与や財産の差し押さえといった事態に発展するケースも少なくありません。

延滞期間 主な影響 金融機関の対応
1日~数日 遅延損害金の発生 電話・メール等での督促連絡
数日~1ヵ月 利用停止、督促の強化 郵便での催促状送付
2ヵ月以上 信用情報機関への登録 異動情報として記録
数ヵ月以上 強制解約、法的手続き 一括返済請求、財産差押え

信用情報機関と異動情報の仕組み

信用情報とは、クレジットやローンの契約内容および利用状況を客観的に記録した個人情報を指します。日本には3つの信用情報機関が存在し、各金融機関が提供する取引情報を管理しています。

信用情報機関の役割

CIC(クレジットインフォメーションセンター)、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センターの3機関が、それぞれの会員である金融機関から情報を受け取り、ローン審査時に照会できる体制を整えています。

キャッシングの申込みや利用履歴、返済状況などが記録され、金融機関は審査の際にこれらの情報を参照するのです。返済を期日通りに行えば、むしろ信用を積み上げることにつながります。

異動情報が記録される条件

異動情報とは、長期延滞や債務整理、破産といった金融事故が記録された状態を指します。一般的には返済期日から61日以上または3ヵ月以上の遅延が発生した場合に登録されるとされています。異動情報は問題解決後も5年程度は消えません。

この間は新たなクレジットカードの発行やローン契約、さらには賃貸契約の審査にも悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

返済遅れを回避するための実践的対策

キャッシングの返済遅れは、日常的な工夫で十分に防ぐことができます。具体的な対策を取り入れることで、信用情報に傷をつけるリスクを大幅に減らせるでしょう。

自動引き落としと通知の活用

返済忘れを防ぐ最も確実な方法は、口座からの自動引き落とし設定です。給与振込口座と連動させておけば、返済のための振込作業を省略できます。それでも口座残高の管理は怠れません。

スマートフォンのカレンダーアプリや通知機能を使い、返済期日の数日前に通知が届くよう設定しておきましょう。1週間前と前日の2回通知するようにすれば、より確実です。

返済計画の見直しと支出管理

無理のない返済計画を立てることが何より重要です。各金融機関が提供する返済シミュレーションツールを活用し、自身の収入に見合った借入額と返済額を把握しましょう。

追加借入を行う際は、必ずシミュレーションをやり直して返済計画を更新する必要があります。また、生活費の見直しも効果的。サブスクリプションサービスや外食費など、削減可能な支出を洗い出すことで返済資金を確保しやすくなります。

緊急時に備えて数万円程度の予備資金を確保しておくのも賢明な対策といえるでしょう。

  • 返済用口座の残高を返済期日前に必ず確認する
  • 複数の借入がある場合は返済スケジュールを一覧化する
  • 収入が減少した際は速やかに金融機関へ相談する
  • 金利の低いローンへの借り換えを検討する
  • 返済に困ったときは専門家や相談窓口を利用する

返済遅れが発生したときの正しい対処法

万が一返済に遅れそうな状況になった場合、適切な対処を取ることで事態の悪化を防げます。放置は最悪の選択です。

金融機関への事前連絡

返済が遅れそうだと判明した時点で、必ず借入先の金融機関に連絡しましょう。返済が困難になった理由と、いつ頃返済できる見込みかを正直に伝えることが大切です。事前に相談すれば、返済期日の延長や一時的な返済額の減額など、柔軟な対応をしてもらえる可能性があります。

金融機関としても、連絡なく延滞されるよりは事前に状況を把握できる方が対応しやすいのです。

返済困難時の選択肢

返済の見通しが全く立たない場合は、弁護士や司法書士といった専門家への相談も視野に入れるべきです。債務整理という手段も存在します。ただし債務整理を行うと信用情報に記録が残るため、慎重な判断が求められます。

まずは金融機関と返済計画の見直しについて話し合い、それでも解決が難しい場合に専門家の力を借りるという段階的な進め方が望ましいでしょう。返済遅れは誰にでも起こりうる問題ですが、誠実な対応を心がければ最悪の事態は回避できます。

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